奥中山の風

岩手県一戸町奥中山に暮らす移住者の日記

スポーツの秋

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天高く馬も牛も人も犬も肥ゆる奥中山の秋

秋はスポーツのシーズンと言うが、
ここ奥中山では小学校の運動会、中学校の体育祭は春に行われる。
おそらく秋では半袖、短パンの体操服には寒すぎるからだろう。

それらとは別に地区運動会が毎年8月に行われる。
(昨年と今年はコロナ禍のため中止)
奥中山も8月はなかなか暑いけれど
帰省者で賑わうこの時期の恒例行事。
種目ごとに参加できる年齢が定まっていて
子供からお年寄りまでが参加できる運動会である。

とはいえスポーツ嫌いな私は裏方が専門。
しかし4年前、予定していた選手が出場時間に
表れなかったため急遽、代役を言い渡された。

種目は輪投げリレー。
トラック1周を4人でリレー。
襷が輪投げの輪で、走り出す前に輪投げを
成功させなくてはいけない。

私は第2走者。
ドキドキする間もなくスタートのピストル。
するとなんと第1走者が1位でやってきたではないか。
輪を受け取った瞬間、これはイヤなものを手にしたと感じた。

案の定、投げても輪が目標に届かない。
届いても棒にはまらない。
どうしていいかわからないまま闇雲に
投げては拾うを繰り返すばかり。

やがて我がチーム以外の全選手が走り終えた。
ビリなのは百も承知。それは構わないとしても
走り出さないことにはレースは終わらないのだ。

まともなアタマでいたら焦ってますます酷くなる。
本能的に思考を止めて、ただただ輪を投げ続けていた。
無情にも輪はなかなかはまってくれない。

どれくらいたった頃だろう。
距離を縮めるかなんかして、ようやく走り出せたのは。

なんとも気の毒なのが私のあとの2人の走者である。
全観客が注視するなか律儀にビリの務めを果たしてくださった。

恥ずかしい、情けない、申し訳ない、
穴があったらはいりたい…。
複雑な思いを抱えてチームメイトが待つテントに向かった。

開口一番「すみませんでした!」と言って頭を下げる。
顔をあげると、みんな笑顔だった。
「アタシも苦手」と言ってくれる人。
冗談めかしてくれる人。
ホントにみんなやさしかった。
気まずさはそう長く続かなかった。

おかげさまでなんやかや、いい思い出である。

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先日、お隣さんが我が家とお隣に向かう坂道の途中に
落ちたクルミをいれるカゴを設置した。

あるとき誰もいないのを確認して
クルミをカゴに向かって投げてみた。
届かない。
もう一回やってみる。
近づいだが箱にははいらない。
さらにクルミをたくさん拾い集めて挑んでみるが
びっくりするほどはいらない。

ん、もしや古傷が疼きだしたか?

果たしてこれはスポーツなのかという疑問はさておき、
毎日、クルミいれに励む日々。
気持ちの上では千本ノック。

嗚呼、スポーツの秋。

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黄色い箱めがけてクルミを投げるのだが